説教メモ
２０２５年３月２３日
四旬節第三主日 ルカ１３：１～９
四旬節も第三主日を迎えました。第一朗読では出エジプト記３章が朗読され、モーセがイスラエルの民をエジプトから導き出すために神から選ばれ、つかわされる箇所が朗読されます。その中において、神さまの本質、「ともにいる神」であることが語られます。
福音朗読ではルカ13章が朗読され、神の裁きと神の忍耐がテーマとなっています。当時、実際にあった事件、ピラトが過越祭にガリラヤ人を殺したということやシロアムの塔が倒れて犠牲者となった人々がいるということを例に挙げて、イエスさまは神の裁きはそのようなものではないことを示します。
当時のユダヤ人にとって、災いや不幸な出来事はすべて、神さまからの罰、たたり、すなわちそのような目に遭う人たちは罪人で何か神さまに対して悪いことをしたから罰せられたのであろうという考え方でした。病気や貧困なども同じように神さまの裁きのゆえであると考えられていました。正しい人ならば神さまが放り出しておくはずがない、反対に不幸な目に遭うのは、その人の罪の結果に違いないという考え方がありました。ヨハネ９章には弟子たちが生まれついての盲人の人を見かけてイエスさまに質問しています。「この人が生まれつきの盲人なのはこの人の罪のためですか、それともこの人の先祖が罪を犯したからでしょうか？」と。イエスさまの答えは明快です。「この人は病気なのであって、病気と罪は関係がない」と。
神さまの裁きは神さまの忍耐、言いかえれば人間の回心を待つところにあるのです。それゆえ、イエスさまはひとつのたとえを話されます。それは人の目から見れば可能性のないように思われることにももう一度チャンスを与えて下さいと願う園丁のことばにあらわれています。神さまの本質、それは「あきらめない」、「人間を見捨てることの出来ない」という父の心を表しています。この
いちじくの木のたとえは来週の福音「放蕩息子のたとえ」につながっているのです。
考えるヒント：
①遠藤周作さんは「神さまにいつも見つめられているということはつらい
ことだ」と言っておられますが、あなたはどう思いますか？
②人間はすぐに結果を求めますが神さまはこのたとえのように時間をかける
ことを大切にしています。あなたは今、なにかに焦っていませんか？
③しなければならないと思っているのに「あとで」とか「まだいい」と思いそのままにしていることは…？